1 手押し車の男性と右手に杖を持った女性が歩いている。おぼ
つかない足取りで歩く男性を気遣い女性が声をかける。おそら
くご夫婦だと思う。寄り添って歩かれている。
2 私も転倒して、両手を負傷し、その傷は今も癒えていない。
もう転倒できない。前を歩かれているお二人の気持ちが痛いほ
どわかる。
何か不自由なところがあると外に出るのをためらってしまう。
一人だと何かあると困るからだ。
3 行き交う人たちは皆早足だ。それが当たり前のように歩
く。何をそんなに急いでいるのだろう。
ゆっくりと歩いていると、次々に追い抜かれる。
早足で歩くのは怖い。「ゆっくり、ゆっくり」
心の中で言い聞かせる。
4 こんなことがあった。
私が慎重に一歩一歩階段を下りていると後ろから声がかか
った。
「大変ですね。下まで荷物持ちましょうか。」
ありがたくお言葉に甘えさせていただいた。
嬉しかった。助けてくれる人がいてくれた。
5 もし何かあっても、誰かが助けてくれるという安心感。それ
が外に出ようという気持ちを後押ししてくれる。
助けていただいた方、ありがたかったです。心から感謝いた
します。
本当にありがとうございました。