1 今日は金曜日。よしきさんを自宅まで送る。よしきさんは、月曜日から金曜日までグループホーム
で生活して、金曜日の夜から月曜日の朝までは自宅ですごす。

2 地下鉄を降りて外に出ると、雨が激しく降っている。傘が役に立たないほどの雨。二人ともすぐに
ずぶ濡れになった。よしきさんの自宅までは歩いて15分ほどかかる。小降りになるまで雨宿りしよ
うと近くのコンビニエンスストアに向かった。

3 その時だ。よしきさんを呼ぶ声が聞こえた。後ろから車が近づいてくる。「お父さんだった」。心配
で迎えに来られたのであろう。

4 「よしきさん、幸せだなあ」。そう思って横顔を見た。よしきさんは、怪訝な顔をしている。よし
きさんが優しいのはおとうさんゆずりだと理解できた。

5 この優しさがたくさんの人に伝わるように、これからも一緒に歩いていきたい。
