1万人の第九(音を楽しむ)

1 決死の淀屋橋

 1年に2回、許可されれば、他会場でのレッスンが認められている。今日は守口

市ではなく、淀屋橋レッスンだ。先生は足を負傷されていた。私も同じ日に右手

小指を亀裂骨折していた。まだ痛みが残っており、行くのをやめたかったが、そ

の日はどうしても出席をしなければならない特別な事情があった。もう転べない。

決死の覚悟で新幹線に乗った。

2 「笑顔、笑顔」

 レッスン中、先生がしきりにここは「笑顔」で歌いましょうと言われた。で

も、意識すればするほど顔は強張ってしまう。

3 楽しそうに歌っている

 その女性は、明るい色の服を着ていた。この日を楽しみにしてこられたのであ

ろう。先生のユーモアあふれる指導に穏やかに笑われ、体全体でリズムをとえら

れていた。

4 これが音楽だ

 その姿を見て、胸が熱くなった。間違えないように必死の私に対して、楽しみ

ながら参加されている。人をこんなにも楽しませている音楽のすごさを実感した。

「音を楽しむ。」

 楽しもうゼ。

 

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