1 私はガイドヘルパーとして、よしきさんを自宅まで迎えに行き、最寄りの駅から
地下鉄に乗り、事業所まで送っています。自宅から最寄り駅までは決まった経路があ
ったのですが、ある日、彼は別の道を選びました。エレベーターが設置してある集合
住宅に立ち寄るためでした。本人はエレベーターのボタンを押すのが大好きです。
2 いつものように集合住宅に立ち寄ると、住人の方と鉢合わせをしてしまいまし
た。その方は怪訝な顔をしています。マズイと思った私はその方に謝罪して、 すぐ
に外に出ました。本人には「この建物に関係ない人は入れない。」ことを繰り返し説
明しました。
3 翌日から、集合住宅の入口に「関係者以外立ち入り禁止」の表示が出てしまいま
した。本人はそれでも中に入ろうとします。私は本人の手をとり、ここに「立ち入り
禁止って書いてあるよ。もう入るのは止めよう」と強めの言葉で伝えたところ、 そ
れからはそこに入ることをしなくなりました。
4 できれば本人とは良好な関係を保ちたい。あまり強い言葉を使うと本人がマイナ
スの感情を持つのではないか。できれば何も言いたくない。でも、言わなければ本人
には伝わらない。揺れ動く気持ちの中で時には怖い鬼になっている。