ありがとう(音を楽しむ)

1 私は音楽の授業が大嫌いだった。人前で歌うことが恥ずか

 しかったからだ。そんな私が大阪城公園ホールでベートーヴ

 ェンの第九を1万人の人たちと歌う。

2 私のパートは「バス」だった。そもそも合唱に不案内な私

 はまさかパートがあることもしらず、単純に全員で同じよう

 に歌うものだと思っていた。

3 発声練習から始まるレッスンは、私にとって苦痛でしかな

 かった。そんな時支えられたのは、経験者の方々のアドバイ

 スだった。「レッスンを録音して繰り返し聞くといいです。」、

「最初から完璧にできる人はなかなかいないですよ。」、「何回

 も参加して、少しずつ積み上げるのが第九ですよ。」等など。

 本当にありがたかった。お力添えをいただいた皆様、本当に

 ありがとうございました。

4 合唱指導をいただいたk先生、本当にお世話になりました。

 私なんてこの場にいてはいけない、やめよう。何度もそう考

 えていた時に、「続けて下さいね。」、「やめないで下さいね。」

 の先生の言葉で踏みとどまれました。先生、私のこと覚えて

 ますか。先生にサインをもらいにいったおじさんですよ。先

 生、私を踏みとどまらせてくれて本当にありがとうございま

 した。

5 ベートーヴェンの第九は、人と人とが出会う素晴らしさ、

 出会った人たちが繋がる大切さを歌っていると聞いた。

 天国にいる父に対して、

 これまでお世話になった人たちに対して、

 私の心の支えである野球に対して、

 私にとってかけがえのない場所である甲子園球場に対して、

「感謝」を心に、大阪城公園ホールにたつ。

 歓喜の歌の最初の言葉を大声で叫ぼう。

「フーロイデ(喜び)」

 

 

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