1 4月の晴れたある日、私は東大寺にいた。私の天敵であるシカ様が私を見つめている。


2 私は前回の失敗に懲りたので、カバンには食べ物を決していれないこと、シカ様とは目を合わさないよ
う細心の注意を払った。「つつかれる」のはもう「ごめん」だからだ。

3 巧妙にシカ軍団をやり過ごし、私は一路「大仏殿」に向かった。


4 ところが、ところがである。その日は「平日」にもかかわらず、大仏殿入場口は長蛇の列だ。
ほぼ外国の方だった。夜は「甲子園」が待っている。泣く泣く帰る決断をした。大仏様にお会い
するよりも、甲子園に行きたかったのだ。

5 せっかく、シカ様をやり過ごしたのに、最後に「人の波」に阻まれるとは・・。
