1 梅雨入りして、私は雨の中、よしきさんと歩くことが多くなった。バスに乗ると「傘を畳んでほしい」と
私の前に傘が差し出される。

2 何事にも「テキトー」な私はこれぐらいでいいだろうと、「私なりに畳んだ傘」をよしきさんに渡
す。よしきさんは、何とも言えない顔をしていた。「わかった。やり直しね」と言うと、よしきさん
はニンマリと笑って、傘を返してきた。

3 よしきさんは、自転車が倒れていると、立て直しにいくし、どこかのドアが空いたままだとしめに行って
いる。小さい頃からしっかりと教育されてきたのだろう。ご家族が温かく、厳しくよしきさんを見守ってき
た証だ。

4 傘を返されないように、傘と向き合う日はまだ続きそうだ。

よしきさん、おはよう⑫ーまた、やり直し