聞いてくれればよかったのに(視覚⑦)

1 とにかく暑かった8月のある日、私は友人2人と野球場に行った。

東京ドーム、試合開始は14時だ。友人らは目の病気があり、視覚が十

分ではない。それでも、ラジオを聴きながら、大きな声で応援歌を歌

う。今日もいつも通り野球を楽しんでいたと思っていた。

2 帰りの車中で、「ラジオがないときついね。」という声を聞いた。

「今日ラジオ中継なかったの。言ってくれれば良かったのに。」

     2人は言う。「聞きにくかった。」と。逐一試合の流れを聞きたかっ

たがそれでは手間をかけてしまう。私に気を遣ってくれたのだ。

3 親しい関係であってもこれである。知らない人にものを尋ねること

は思っている以上にハードルが高いのだ。「トイレはどこ?」、「これは

クリームパン?」視覚に障害がある人はそれらが見えない。見えている

側から声掛けができるといいと思う。

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