1 とにかく暑かった8月のある日、私は友人2人と野球場に行った。
東京ドーム、試合開始は14時だ。友人らは目の病気があり、視覚が十
分ではない。それでも、ラジオを聴きながら、大きな声で応援歌を歌
う。今日もいつも通り野球を楽しんでいたと思っていた。
2 帰りの車中で、「ラジオがないときついね。」という声を聞いた。
「今日ラジオ中継なかったの。言ってくれれば良かったのに。」
2人は言う。「聞きにくかった。」と。逐一試合の流れを聞きたかっ
たがそれでは手間をかけてしまう。私に気を遣ってくれたのだ。
3 親しい関係であってもこれである。知らない人にものを尋ねること
は思っている以上にハードルが高いのだ。「トイレはどこ?」、「これは
クリームパン?」視覚に障害がある人はそれらが見えない。見えている
側から声掛けができるといいと思う。