役に立たない人はいらない(成果主義社会の末路)

1 日本は300年以上鎖国し、明治時代になって開国し、諸外国と交

流を持ち始めた。そこで日本が見たものは、諸外国の産業の発展だ。そ

の差に愕然とした明治政府はこの国が生き残る道を考えた。

2 石油、鉱物資源など目に見える資源があるわけではないこの国が生

き残る道。明治政府が考えたのは「国民の活用」だ。国民が働くことに

よって産業を発展させ、お金を稼がせる。そしてそのお金を銀行預金に

まわすよう奨励する。銀行は国内の企業にお金を貸すことで、産業をさ

らに発展させ、国際競争力をつけさせる。そうすることによって諸外国

と競争しようと考えたのだ。その政策は功を奏し、ヨーロッパ、アメリ

カとも競争できる国力を得ることができた。

3 時代は昭和に移り、小さな島国である日本の国力を増強したいと考

えた政府は、軍事力を背景に中国をはじめ東南アジア諸国をも自らの勢

力下に加えようとした。太平洋戦争である。敗戦して、主な都市は焼け

てしまった。

4 敗戦後日本は国の立て直しを迫られた。日本には資源があまりな

い。そこで考えられたのが、また「国民の活用」である。国民を働かせ

て、国際競争力を強化させる。そのためには、国民を休ませている時間

などなかった。

5 いい大学に入って、いい会社に入る。会社で成果を上げて、高い給

料をもらう。それが「良いこと」とされ、「受験戦争」なる言葉まで生

まれた。年に10パーセントを超える経済成長、ジャパン・アズ・ナン

バーワンなどと言われるようになった。日本は好景気にわいた。そし

て、いつのまにか「成果を上げる人がいい人」になってしまった。

6 仕事をしていないといっても、何らかの事情でそもそも仕事ができ

ない人もいる。またすでに年齢的に仕事を辞めざる得なかった人もい

る。成果主義の中で、そういう人たちは社会の片隅に追いやられていっ

た。

7 「生産性のない人」は生きていく価値がないともいわれるようにな

った。そんなことを公に言う人はいないが、国を統治している人たちの

本音である。お金を生み出さない、生産性のない人は必要ないと考えて

いるのだ。

8 令和になっても、この国には成果主義がまん延している。その中

で、障害者と言われる人、高齢者は社会の片隅でひっそりと暮らして

いる。

9 私はガイドヘルパーとして、知的障害者と言われている人たちが時

には厳しい目で見られていることを知っている。視覚障害者の友人と歩

くとき、点字ブロックの上にいる人たちをさけて歩かないといけないこ

とが多い。私のような高齢者が歩道を歩くときに、前から走ってくる自

転車をやり過ごすため、歩道の端によっている。

10 「何のために」

 私はこれらの人たちの声を代弁するためにこのブログを書いている。

「そんなことして何になるの」という声も聞こえてくる。なぜそんな声

が出てくるのか。多くの人たちは、知的障害者、視覚障害者と言われて

いる人たち、高齢者のことなんか眼中にないからだ。誰に何を言われて

もいい。一人でも、たった一人でも関心を持ってもらえるようこれから

もやっていきたい。

 

 

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