1 よしきさんをグループホームまで迎えに行った時のことだ。彼は折りたたみ式の
傘を持ち、何か言いたそうにこちらを見つめている。
2 彼は、私の目の前にその傘を差しだした。「なんだ、傘を持ってほしいということ
か。」と私は早合点した。傘を受け取ると、彼はまだ何か言いたそうだ。
3 するとグループホームの職員さんが傘を手に取り、きれいに畳んだ上で、彼のカバ
ンにしまった。彼はこうしてほしかったのだ。
4 知的障害者と言われる人の中には、うまく人を頼れる人もいる。ある利用者さん
は、最初に助けてほしい要件を言って。必ず最後に「助けてください。」と付け加え
る。
5 人をうまく頼れる人とそうでない人がいるのは、障害の有無には関係ない。「助け
合い。」が必要なのも同じだ。人同士、助け合っていきたい。